蟹山昇宏税理士事務所(大阪・本町)が解説します。
freee会計×Amazonビジネス連携の完全ガイド|設定手順とインボイス対応を税理士が解説
freee会計とAmazonビジネスの連携とは、business.amazon.co.jpでの購入データをfreee会計に自動取り込みし、インボイス原本(支払い明細書)の電子保存まで一括で完了させる公式API連携サービスです。2023年10月17日よりインボイス制度に正式対応し、一般課税・簡易課税・免税事業者のいずれも利用できます。
「Amazonで買い物するたびにfreeeへ手入力している」「インボイス対応の証憑保存が面倒で困っている」「軽減税率8%と標準税率10%が混じった注文の仕訳をどうすればいいかわからない」という悩みをお持ちではありませんか?
結論:freee会計とAmazonビジネスを連携すれば、商品単位の明細自動取得・インボイス原本の自動保存・税区分の自動補完が同時に実現します。電子帳簿保存法(電帳法)への対応も連携だけで完了するため、手入力ゼロの経理体制を構築できます。
freee会計とAmazonビジネス連携とは?インボイス対応の公式連携
freee×Amazonビジネス連携のポイントは、購入データを商品単位で取得し、インボイス原本(支払い明細書)をfreeeが自動保存する点です。個人向けAmazon連携は注文単位の取得にとどまりますが、Amazonビジネス連携では1注文に複数商品があっても商品ごとに明細が作成されます。freee公式ヘルプ(support.freee.co.jp)では2023年10月17日からインボイス制度対応を開始したと記載されています。
個人向けAmazon連携との違い
freee会計には個人向けAmazon連携もありますが、Amazonビジネス連携とは仕様が大きく異なります。下の比較表をご確認ください。
| 項目 |
個人向けAmazon連携 |
Amazonビジネス連携 |
| 明細の単位 |
注文単位 |
商品単位 |
| インボイス原本の自動保存 |
非対応 |
対応(2023年10月17日〜) |
| 電帳法対応(電子取引義務化) |
非対応 |
連携だけで対応完了 |
| 税区分の自動補完 |
非対応 |
対応(適格/非適格・軽減税率判別) |
| 混合税率(10%/軽減8%)の仕分け |
非対応 |
商品ごとに自動判別 |
| グループ(部署別)管理 |
非対応 |
グループ単位で口座を分けて管理可 |
| 購入データ原本の確認 |
非対応 |
口座詳細の[購入データ原本]タブで確認可(web版のみ) |
Amazonビジネスで効率化の対象となる事業者
対象は日本版Amazonビジネス(business.amazon.co.jp)を利用するすべての事業者です。Businessプライム加入の有無は問わず、課税事業者(一般課税・簡易課税)も免税事業者も利用できます。個人事業主も対象です。
課税区分ごとの活用方法は次のとおりです。
-
- 一般課税(原則課税)事業者:インボイス保存+帳簿記載が消費税法上必要。freee連携で両方の要件を同時に満たせます。
-
- 簡易課税事業者:消費税法上インボイス保存は不要ですが、同期明細を帳簿記載に活用できます。
-
- 免税事業者:インボイスは不要ですが、所得税法・法人税法上の経費証憑として支払い明細書を利用できます。
freee×Amazonビジネス連携の7つのメリット
freee×Amazonビジネス連携のメリットは、単なる明細自動取得にとどまりません。インボイス原本の自動保存・税区分の自動補完・混合税率の自動仕訳・グループ別管理まで、1つの連携設定でまとめて実現します。freee公式ヘルプ(support.freee.co.jp/hc/ja/articles/4409921778457)に掲載された公式情報をもとに、7つのメリットを整理しました。
メリット1:商品単位で明細が自動作成される
個人向けAmazon連携は「注文1件=明細1行」です。一方、Amazonビジネス連携は商品ごとに明細が作成されます。たとえば1回の注文で封筒・天然水24本・ラッピングを購入した場合、3商品分+ラッピング料で合計4行の明細が作成されます。商品ごとに勘定科目を設定できるため、消耗品費と交際費を同時に購入しても自動で振り分けられます。摘要も自動で入力されます。
メリット2:税区分が自動入力される(インボイス判定含む)
販売事業者のインボイス登録状況と税率が明細に自動連携され、freeeが税区分を自動入力します。自動登録ルールを未設定でも、購入データ原本から税区分が自動入力されます。2023年10月1日から2026年9月30日の経過措置期間(控除80%)や、2026年10月1日から2029年9月30日の控除50%期間にも自動対応します。
メリット3:インボイス原本(支払い明細書)が自動保存される
freeeに同期するだけで「インボイス原本」が自動連携・保存され、電子帳簿保存法(電子取引義務化)への対応が完了します。証憑を手動でダウンロードしてfreeeにアップロードする作業は不要です。
freeeと電子帳簿保存法への対応方法も合わせてご確認ください。
メリット4:混合税率(10%/軽減8%)を商品ごとに自動仕訳
食料品(軽減税率8%)と事務用品(標準税率10%)を1回の注文でまとめて購入しても、商品ごとに税率が判別されます。freeeの「自動で経理」で自動化の設定も可能です。軽減税率商品からの割引は軽減8%、配送料からの割引は10%と、割引の税率も正確に処理されます。
メリット5:グループ単位で口座を分けて管理できる
Amazonビジネスのグループ機能を使っている場合、部署別・法人別にfreeeの口座を分けて管理できます。複数の会社やプロジェクトでAmazonビジネスを共用している場合に特に有効です。
メリット6:手動紐付け作業がゼロになる
連携前は「Amazonから購入確認メールを探す→領収書をダウンロード→freeeにアップロード→取引と紐付け」という4ステップが必要でした。連携後は取引データとインボイス原本が自動で紐付きます。当事務所のお客様の実績では、月20件以上のAmazon購入がある場合、月あたり1〜2時間の経理作業時間削減になるケースが多いです。
メリット7:配送料の税率も自動処理される
配送料の税率は常に10%として処理されます。勘定科目は配送した商品と同じ科目が使われます。商品ごとに送料と割引が割り振られる仕様のため、端数処理でAmazon側と消費税額がずれる場合がありますが、支払い総額はずれません。
連携の設定手順を詳しく解説(Step by Step)
freee×Amazonビジネスの連携設定は、freee会計のマスタ・口座メニューから12ステップで完了します。SMS認証・グループ選択・連携形式の選択まで含めて15分程度が目安です。設定後に明細取得開始日の変更はできないため、開始日の選択には注意が必要です。
連携設定の12ステップ
-
- Step 1:[マスタ・口座]→[口座]を開く
-
- Step 2:[+登録]をクリック→[その他連携先]と[自動で取得]を選択→[登録]
-
- Step 3:検索窓に「amazon」と入力→[Amazonビジネス]を選択
-
- Step 4:「Amazonビジネスと連携しますか?」の確認画面→[次へ]
-
- Step 5:携帯電話番号またはEメールを入力→[次に進む]
-
- Step 6:パスワードを入力→[ログイン]
-
- Step 7:SMS認証コードを入力
-
- Step 8:「アクセスを希望」画面→[許可する]をクリック
-
- Step 9:連携するグループを選択(複数グループがある場合は部署・法人ごとに選択)
-
- Step 10:明細取得開始日を選択(※後から変更不可)
-
- Step 11:連携形式を選択(下記参照)
-
- Step 12:設定完了
連携形式の選び方(Step 11)
Step 11の連携形式は、支払い方法によって選択してください。
-
- クレジットカード払いの場合(おすすめ):「利用明細を仕訳の元データとして取得する(銀行連携と同じ形)」を選択。クレカ連携明細との照合がしやすくなります。
-
- 請求書払い(掛払い)の場合:「購入データ原本のみ取得する」を選択。明細ではなく購入データ原本(支払い明細書)を軸に経理処理を行います。
設定前の注意点
Amazonビジネスアカウントを2つ以上お持ちの場合は、連携したいアカウントでログインしていることを確認してから設定を始めてください。別のアカウントでログイン中だとそちらが連携されてしまいます。また、API連携に使うアカウントには「管理者」権限が必要です。
Amazonビジネスで作成される明細の読み方
Amazonビジネス連携で作成される明細は、商品ごとに「商品価格/送料/割引」の最大3行で構成されます。1回の注文で複数商品を購入すると商品数分の明細行が作成されるため、個人向けAmazon連携の「注文単位1行」と大きく異なります。freee公式ヘルプに記載の具体例をもとに、明細の読み方を解説します。
明細の具体例(封筒・天然水・ラッピングを1注文で購入した場合)
| 明細行 |
内容 |
税率 |
備考 |
| 1行目 |
封筒(商品価格) |
10% |
事務用品 |
| 2行目 |
封筒(送料) |
10% |
配送料は常に10% |
| 3行目 |
天然水24本(商品価格) |
8%(軽減) |
飲食料品 |
| 4行目 |
天然水24本(送料) |
10% |
配送料は常に10% |
| 5行目 |
ラッピング |
10% |
商品と同じ勘定科目 |
| 6行目 |
ポイント利用(割引) |
— |
入金明細として作成 |
ポイント・ギフトカード利用の処理方法
Amazonポイントやギフトカードで支払った場合は、入金明細として作成されます。freeeでの処理は[雑収入]または[対象外]で処理するのが一般的です。どちらを使うべきかは消費税の課税方式や事業の実態によって異なりますので、税理士に確認することをおすすめします。
購入データ原本の確認方法
2023年10月1日以降の注文については、Amazonビジネスが発行した「支払い明細書」がfreeeに自動連携・保存されます。freeeのweb版で、口座詳細の[購入データ原本]タブから確認できます(アプリ版は非対応)。セラーが適格事業者番号を登録している場合は適格請求書、未登録の場合は区分記載請求書として扱われます。
freeeの活用方法まとめでは、他のfreee連携サービスも紹介しています。合わせてご確認ください。
自動登録ルールで経理をさらに効率化する
自動登録ルールを設定すると、Amazonビジネスの明細取得後に勘定科目・部門タグ・取引先まで自動で入力できます。未設定でも購入データ原本から税区分が自動補完されますが、ルールを設定しておくと確認・登録の工数がさらに削減されます。
口座振替ルールの設定(クレカ払いの場合)
クレジットカードでAmazonビジネスの代金を支払っている場合、クレカ明細に「AMAZON.CO.JP」という文字が含まれる明細が出てきます。この明細をAmazonビジネス口座への「振替」として自動登録するルールを設定しておくと、クレカ明細とAmazonビジネス明細の突合が自動化されます。
自動補完される税区分一覧
自動登録ルール未設定でも以下の税区分が自動補完されます。インボイス経過措置期間の扱いも自動で対応します。
| 販売事業者の区分 |
税率 |
自動補完される税区分 |
対象期間 |
| 適格事業者(インボイス登録あり) |
10% |
課対仕入10% |
— |
| 適格事業者(インボイス登録あり) |
8%(軽減) |
課対仕入8%(軽) |
— |
| 免税事業者・控除80%期間 |
10% |
課対仕入(控80)10% |
2023/10/01〜2026/09/30 |
| 免税事業者・控除80%期間 |
8%(軽減) |
課対仕入(控80)8%(軽) |
2023/10/01〜2026/09/30 |
| 免税事業者・控除50%期間 |
10% |
課対仕入(控50)10% |
2026/10/01〜2029/09/30 |
| 免税事業者・控除50%期間 |
8%(軽減) |
課対仕入(控50)8%(軽) |
2026/10/01〜2029/09/30 |
少額特例(税込1万円未満の課税仕入)の適用を受ける事業者は、非適格として処理されたものを手動で「適格」に変更することも検討してください。
インボイス制度と消費税の実務対応についても詳しく解説しています。
Amazonビジネス口座の残高管理
freee上のAmazonビジネス口座は「未払金」(流動負債)として扱われます。Amazonでの購入時に残高がマイナスになり、クレジットカードや銀行口座から支払った時点で振替処理を行い、残高をゼロにします。
税理士が警告する連携時の注意点5選
freee×Amazonビジネス連携は非常に便利ですが、「同期対象外の明細」や「自動連携されない支払い明細書」が存在します。これらを把握していないと、経費漏れや証憑不備が発生します。freee公式ヘルプを確認しながら、当事務所が実務上よく見る注意点を5つまとめました。
注意点1:同期されない明細がある
以下の明細はfreeeへの自動同期対象外です。これらは手動でCSVアップロードするか、別途手入力が必要です。
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- デジタルコンテンツ(Kindle本・Prime Video・Amazonコイン)
注意点2:自動連携されない支払い明細書がある
以下の支払い明細書は自動連携の対象外のため、手動で添付が必要です。
-
- 返品送料・返品手数料が発生した適格返還請求書(インボイス原本にならない)
注意点3:明細取得開始日は後から変更できない
Step 10で設定する「明細取得開始日」は、設定後の変更が不可です。期中に設定する場合は、設定前の購入分が漏れないよう、開始日を遡って設定するか、対象外期間の明細は手動でCSVアップロードしてください。
注意点4:消費税額に端数ずれが発生する場合がある
商品ごとに消費税を計算するため、端数処理の関係でfreeeが算出した消費税額とAmazonの請求書上の消費税額がずれる場合があります。代引手数料はfreee側が商品・送料・ラッピングの合計を支払総額から引いた残額として算出します。
注意点5:アカウントの切り替えを忘れずに
Amazonビジネスアカウントを2つ以上お持ちの場合、設定時にログイン中のアカウントが連携されます。意図しないアカウントと連携しないよう、設定前に必ず連携したいアカウントでログインしていることを確認してください。また、API連携には「管理者」権限のアカウントが必要です。
事業とは関係のない個人的な購買は、プライベートのAmazonアカウントで購買するように注意が必要です。
freee×Amazonビジネス連携を最大限活用する税理士との連携方法
freee×Amazonビジネス連携を最大限活用するには、月次での確認・承認フローを整備することが重要です。当事務所(蟹山昇宏税理士事務所)はfreee認定5つ星アドバイザー(近畿最上位クラス)として、freee×bixidを使った月次決算の即日完成を支援しています。
月次の確認と承認フロー
自動連携は便利ですが、取り込まれた明細が正しい勘定科目になっているか、対象外の明細が漏れていないかは月に一度は確認する習慣をつけてください。特に以下の3点は毎月必ずチェックをおすすめします。
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- Amazonビジネス口座の残高がゼロになっているか(未払い残高の確認)
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- 自動連携対象外の明細(Kindle等)が手入力されているか
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- 返品・返金がある場合に適格返還請求書が手動添付されているか
freee×bixidで月次決算を即日完成
freeeとAmazonビジネスの連携に加え、bixid(ビサイド)を組み合わせると、月次決算レポートの自動作成が可能になります。売上・経費・利益の推移をリアルタイムで確認でき、資金繰り改善や節税判断をその場でできる経営体制が整います。
freee×bixidで月次決算を完成させる方法をご覧ください。
freee認定5つ星税理士に相談すべきタイミング
次のような場面では、freeeに詳しい税理士への相談をおすすめします。
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- Amazonビジネスとfreeeの連携設定をこれから行う
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- 消費税の課税方式(一般課税・簡易課税)を見直したい
当事務所はfreee認定5つ星アドバイザーとして、大阪府内の中小企業・個人事業主のfreee導入・設定・運用を一貫してサポートしています。
大阪のfreee導入に対応する税理士への相談はこちらからどうぞ。
まとめ:freee×Amazonビジネス連携で経理を自動化しよう
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- freee×Amazonビジネス連携は2023年10月17日にインボイス制度に正式対応した公式API連携
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- 商品単位の明細自動取得・インボイス原本自動保存・税区分自動補完が同時に実現する
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- 一般課税・簡易課税・免税事業者のいずれも利用でき、個人事業主も対象
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- 連携設定は12ステップで完了。明細取得開始日は後から変更できないため要注意
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- Kindle・プライム会費・外貨注文は同期対象外。返品関連の明細書は手動添付が必要
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- freee×bixidと組み合わせると月次決算の即日完成が可能になる
freee×Amazonビジネス連携についてご不明な点がある場合や、設定サポートをご希望の場合は、蟹山昇宏税理士事務所へお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 免税事業者でもfreee×Amazonビジネス連携は使えますか?
はい、利用できます。freee公式ヘルプによると、免税事業者もAmazonビジネス連携の対象です。インボイス保存は消費税法上不要ですが、所得税法・法人税法上の経費証憑として支払い明細書を活用できます。自動補完される税区分は「課対仕入(控80)」「課対仕入(控50)」が使われます。
Q2. 個人向けAmazonアカウントとAmazonビジネスアカウントは別々に作れますか?
はい、別々に作成できます。ただし個人のAmazonプライムとの併用はできないため、Businessプライムへ切り替える必要があります。また、個人アカウントから移行した場合は購入履歴が共有される点にご注意ください。
Q3. Amazonビジネスの連携で取り込んだ明細は編集できますか?
自動取得された明細そのものは編集できません。ただし、取引登録時に部門タグの付与・内訳分割・発生日の変更は可能です。勘定科目や摘要は登録時に変更できます。
Q4. Kindle本やAmazonプライム会費はfreeeに自動連携されますか?
連携されません。デジタルコンテンツ(Kindle本・Prime Video・Amazonコイン)およびAmazonプライム会費は同期対象外です。これらはクレジットカード明細から手動で取り込むか、freeeのレシート読み取り機能を使って別途登録してください。
Q5. Businessプライムに加入しないとfreee連携はできませんか?
加入しなくても連携できます。Amazonビジネス連携の対象はBusinessプライム加入の有無を問いません。ただし、Businessプライムに加入するとより多くのビジネス機能が利用できます。年会費はEssentials(5ユーザー)が税込5,900円、Small(20ユーザー)が税込13,500円です。全プランで30日間無料体験が利用できます。
Q6. freeeとAmazonビジネスの連携が途中でエラーになった場合はどうすればいいですか?
メンテナンス中やエラー時はCSVアップロードで手動取り込みができます。ただし、手動CSVアップロードでは税率・割引・ポイント情報は取り込まれません。エラーが解消したあとに再度自動取得に切り替えることもできます。
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著者情報
蟹山 昇宏(かにやま のりひろ)|税理士
近畿税理士会所属(登録番号138494号)。蟹山昇宏税理士事務所 代表。大阪市中央区安土町(本町駅徒歩3分)。freee認定5つ星アドバイザー、bixider認定事務所、認定経営革新等支援機関。中小企業の節税・freee導入・資金調達を一貫して支援。「わかりやすく、ていねいに」がモットー。