freee使い方・法人向け完全ガイド|蟹山昇宏税理士事務所

蟹山昇宏税理士事務所(大阪・本町)が解説します。

freee使い方・法人向け完全ガイド|本記事でわかること

  • freeeとは何か、法人経営者が知っておくべき本質とクラウド会計3社比較
  • 弥生会計からfreeeへの移行手順と初期設定チェックリスト
  • 自動で経理・請求書・固定資産・電子帳簿保存法への対応方法
  • freee人事労務での給与計算・年末調整・電子化の実務手順
  • freee申告で法人税を作成する方法と、税理士に依頼する場合の比較

freeeとは、銀行・クレジットカードの明細を自動取得し、帳簿・給与計算・申告書まで一気通貫で処理できるクラウド型の会計ソフトです。インストール型の会計ソフトとは異なり、インターネット環境があればどこからでも操作でき、税理士とリアルタイムでデータを共有できる点が最大の特長です。

freeeの導入を検討している経営者・経理担当者からは、次のような声をよくいただきます。

  • 「今まで弥生会計を使っていたが、移行するとデータはどうなるのか」
  • 「freeeを入れれば本当に経理の手間が減るのか、具体的な手順がわからない」
  • 「freee申告を自力でやるか、税理士に任せるか、どちらがよいのか」

結論から申し上げます。freeeは導入後の設定と運用ルールをきちんと整えれば、月次経理の作業時間を40〜60%削減できるクラウドツールです。当事務所のfreee導入支援実績(120社以上)でも、この数値は繰り返し確認されています。本記事では、導入検討から活用・申告まで、freee認定5つ星アドバイザーの税理士が段階を追って解説します。

freeeとは何か。法人経営者が知っておくべき3つの本質

freeeとは、銀行・カード明細を自動取得し、請求書作成・帳簿入力・給与・申告まで一気通貫で処理するクラウド型の会計ソフトです。

freee株式会社(2025年12月末時点)のデータによると、有料課金ユーザーは64万事業所に達しています。日本のクラウド会計市場でシェアを伸ばし続けている理由は、単なる「帳簿ソフト」の枠を超えた総合クラウドプラットフォームとしての設計にあります。経営者・経理担当者がfreeeを正しく理解するために、まず3つの本質を押さえておきましょう。

クラウド会計とインストール型会計ソフトの決定的な違い

クラウド会計とインストール型の最大の違いは「データの保管場所」と「アクセス方法」です。インストール型は特定のパソコンにソフトを入れて使うため、そのパソコンがなければ作業できません。クラウド会計はサーバー上にデータが保管されるため、インターネットがあれば社内・自宅・外出先を問わず操作できます。

税理士との連携においても差が明確です。インストール型では、データをファイルで書き出して送付するというやりとりが必要でした。クラウド会計では、税理士が顧問先のデータにリアルタイムでアクセスできるため、「先月のデータを送ってください」という確認往復がなくなります。

主要3サービスの特長を比較した表を示します。

項目freee会計マネーフォワードクラウド弥生会計オンライン
連携金融機関数1,000以上1,000以上約2,600
法人向け月額(スタンダード)3,278円〜3,456円〜2,200円〜
人事労務連携freee人事労務と完全連携MFクラウド給与と連携弥生給与との連携あり
申告書作成freee申告(法人税・消費税・地方税対応)なしなし
税理士との共有税理士招待でリアルタイム共有権限設定でリアルタイム共有権限設定でリアルタイム共有
AIアシスト(自動仕訳)機械学習による推測仕訳(完全自動化)機械学習による推測仕訳スマート取引取込

※月額費用は2025年4月時点の税込価格。プランによって異なります。

freeeとマネーフォワードの詳細な比較については、freeeとマネーフォワード、法人はどちらを選ぶべきかをご覧ください。

freeeが選ばれる理由。1,000以上の金融機関API連携と自動仕訳精度

freeeが法人経営者に選ばれる理由は、金融機関との連携の広さです。メガバンク・地方銀行・信用金庫・ネット銀行・クレジットカード・電子マネーを含め、1,000以上の金融機関とAPI連携しています。口座を登録するだけで、前日までの入出金明細が自動取得されます。

自動仕訳の精度も特長の一つです。同じ取引先への支払いや毎月定期的な費用は、一度仕訳を確定すると次回から同じ勘定科目が推測されます。利用頻度が高まるほど推測精度が上がる仕組みで、導入初期より半年後のほうが入力の手間が大幅に減ります。

総務省「通信利用動向調査(2023年)」によると、中小企業におけるクラウドサービス利用率は72.2%に達しており、経理・会計分野でのクラウドツール活用も年々拡大しています。

freeeが向いている法人・向いていない法人

freeeはすべての法人に最適というわけではありません。自社の状況と照らし合わせて判断することが大切です。

項目freeeが向いている法人freeeが向いていない法人
パソコン操作パソコンが操作できる◎パソコンが操作できない
経理自社で経理したい税理士に記帳代行を依頼したい
税理士との連携freee対応税理士freee対応できない
現在の会計ソフト弥生会計・エクセル管理・手書き帳簿大企業向けの会計ソフト

「従業員10名、自社で経理をしていて、税理士は月1回の訪問のみ」という法人はfreeeとの相性が特によいケースです。一方、複雑な原価計算や連結決算が必要な法人には、別途システムの検討をおすすめします。

freee導入前にやること。弥生会計からの移行と初期設定

freee導入のポイントは、弥生会計からの移行前に残高データを整備しておくことと、freeeの口座連携設定を正しく行う2点です。どちらを先に進めるかで移行後の作業効率が大きく変わります。

freeeへの切り替えは「とりあえず登録して始める」とあとで大変になります。導入前に残高データを整え、連携口座をリストアップしておくことで、スムーズな立ち上がりが実現します。

弥生会計からfreeeへの移行 7つの手順と費用相場

当事務所では弥生会計からfreeeへの移行支援を多数実施しています。移行後の月次経理の作業時間は平均40〜60%削減されています(当事務所の実績データ)。移行時に気をつけるべきポイントを7つの手順で整理します。

  1. 移行タイミングの決定:期首(事業年度の開始月)からの切り替えが最もスムーズです。期中移行は残高の引き継ぎが複雑になるため、原則として期首移行をおすすめします。
  2. 弥生会計の残高確認:前期末の貸借対照表(BS)の勘定科目残高をすべて書き出します。移行後のfreeeに期首残高として入力する数値の根拠になります。
  3. freeeアカウントの開設と会社情報の入力:法人名・会計期間・消費税の課税方式(課税事業者 / 免税事業者)を正確に設定します。消費税の課税方式の誤りは申告書に影響するため、税理士に確認しながら進めることをおすすめします。
  4. 勘定科目の設定:freeeのデフォルト科目と弥生会計で使っていた科目を照合し、差異を埋めます。不要な科目は非表示にしておくと、日常の入力がしやすくなります。
  5. 期首残高の入力:「設定 → 期首残高」から前期末のBSデータを入力します。入力後、試算表の期首残高が一致しているかを確認してください。
  6. 銀行・カードの口座連携:事業で使う全口座を連携します。法人口座だけでなく、経費清算に使うクレジットカードも忘れずに登録します。
  7. 自動登録ルールの設定:移行後、最初の1〜2ヶ月で仕訳を確定させながら自動登録ルールを育てます。初期設定が丁寧なほど、その後の手間が減ります。

移行支援の費用相場は、規模と複雑さによって異なりますが、当事務所では税理士顧問契約とセットでの移行支援が多いです。詳しい手順と費用については、弥生会計からfreeeへの移行を税理士が完全解説をご覧ください。

GMOあおぞらネット銀行フリー支店の開設でfreeeをより便利に

2025年1月より、freee会計の管理画面からGMOあおぞらネット銀行の「フリー支店」口座を直接開設できるようになりました(freee公式プレスリリース 2025年1月発表)。

フリー支店の主な特長は次の3点です。

  • 口座開設からfreeeへの連携まで一気通貫:freeeの管理画面内で開設申請ができ、開設後は自動でfreee会計と連携されます。別途口座連携の設定をする必要がありません。
  • 明細のリアルタイム同期:入出金明細がほぼリアルタイムでfreee会計に反映されるため、月末・月初のまとめ処理が不要になります。
  • freee会計から振り込みできる:freee会計で経費登録したデータを、freee会計からGMO銀行フリー支店でそのまま振り込みできます。消込も自動で行われて、消込の工数が0になります。

メインバンクとは別に、freeeと連動する専用の事業口座を持つ形で活用するケースが多く見られます。新規法人の方には、会社設立と同時にフリー支店を開設するという選択肢も検討に値します。

freee初期設定チェックリスト(10項目)

以下のステップは、freee会計の初期設定で確認すべき10項目です。HowToとして順番に進めてください。

  1. Step 1: 会社・事業所情報を設定する 法人名・住所・電話番号・事業年度開始月・決算月を入力します。ここの設定が各種帳票の基本情報になります。
  2. Step 2: 消費税の設定をする 課税事業者か免税事業者か、原則課税か簡易課税かを選択します。誤って設定すると消費税申告書に影響するため、税理士に確認の上で設定します。
  3. Step 3: 期首残高を入力する 前期末の貸借対照表(BS)の残高を「設定 → 期首残高」から入力します。すべての勘定科目の残高が一致するまで確認します。
  4. Step 4: 銀行口座を連携する 事業で使うすべての口座・カードを「口座 → 口座一覧」から連携します。プライベートと混在している口座は「個人口座として登録」の選択肢もあります。
  5. Step 5: クレジットカードを連携する 法人カード・個人カード(事業利用分)を連携します。カード会社によって明細の反映タイミングが異なるため、初回は数日後に確認します。
  6. Step 6: 取引先マスタを登録する 主要な取引先(仕入先・売上先)を「取引先 → 取引先一覧」から登録します。後工程の自動登録ルールで必要になります。
  7. Step 7: 勘定科目をカスタマイズする デフォルト科目に不要なものがある場合は非表示にします。業種特有の科目がある場合は追加します。
  8. Step 8: テンプレート登録の設定をする 毎月発生する借入返済など、仕訳テンプレートを作成します。毎月定期的に発生する取引の勘定科目を事前に設定しておくと入力が効率化し、ミスも防ぐことができます。
  9. Step 9: 税理士への権限を設定する 「事業所の設定 → メンバー」から税理士を招待します。アドバイザー権限を付与すると、税理士がリアルタイムでデータを確認・修正できます。
  10. Step 10: 初月の仕訳を確認する 連携口座の明細が取り込まれたら、自動で経理画面で推測仕訳を確認し、最初の1ヶ月分を確定させます。ここで自動登録ルールの設定を固めます。

freee会計の自動で経理。明細取得から仕訳・消込まで一気通貫で処理する

freee会計の自動で経理とは、銀行・カード明細を取得し、推測仕訳を確認して取引登録まで行う中核機能です。

自動で経理はfreee会計の心臓部ともいえる機能です。毎日の入出金明細をfreeeが自動取得し、過去の仕訳パターンをもとに「この支払はおそらく〇〇費です」と推測して表示してくれます。経理担当者の仕事は「確認して登録ボタンを押すだけ」という状態に近づきます。

自動で経理の全体像|銀行・カード明細から取引登録までの流れ

freee公式ヘルプ(自動で経理の使い方 / 明細ベース帳簿付け)に基づき、処理の流れを整理します。

  1. Step 1: 明細を取得する 連携口座の明細がfreeeに自動取込されます。通常、前日までの明細が翌朝反映されます。「自動で経理」メニューを開くと未処理の明細が一覧表示されます。
  2. Step 2: 推測仕訳を確認する freeeが各明細に対して「推測仕訳」を表示します。取引先名・金額・過去の仕訳パターンを参照し、勘定科目を提案してくれます。
  3. Step 3: 内容を修正・確認する 推測が正しければそのまま登録します。誤っている場合は勘定科目・取引先・摘要を修正しましょう。消費税区分(課税・非課税・不課税)の確認も忘れずに行います。
  4. Step 4: 取引として登録する 「登録」ボタンを押すと、帳簿に取引として記録されます。複数の明細をまとめて登録することも可能です。

freee公式ヘルプ「自動で経理から取引を登録する」でも詳細な操作手順が公開されています。画面名・ボタン名はヘルプページと一致させた状態で進めることをおすすめします。

自動登録ルールを育てて手入力をゼロに近づける方法

freee公式ヘルプ「明細の自動登録ルール設定」では、特定の条件(取引先名・金額・キーワード)に一致する明細を自動で仕訳登録するルールを設定できると説明されています。このルールを育てることが、経理の自動化率を高める核心です。

自動登録ルールは「自動で経理 → ルール」から設定します。条件の設定例を示します。

  • 条件: 摘要に「ヨドバシカメラ」を含む、かつ金額が10万円以下
  • 登録内容: 勘定科目「消耗品費」、消費税「課税仕入」、適格にチェック

当事務所では業種ごとに推奨の自動登録ルールテンプレートを用意しています。例えば小売業であれば「仕入」「送料」「広告費(Amazon広告・Meta広告)」など頻出する支払パターンをあらかじめルール化しています。当事務所では、顧問先に対してこの自動登録ルールを提供することで、移行初期から高い自動化率を実現しています。

ルール設定のコツは「最初は大まかに、あとで細かく」です。完璧なルールを一度に作ろうとするより、まずよく出る取引からルール化し、3ヶ月かけて育てていくほうが実務的です。

未決済取引の消込(売掛金入金・買掛金支払)をWeb画面で処理する

freee公式ヘルプ「未決済取引の消込」では、売掛金の入金確認や買掛金の支払確認をfreee会計のWeb画面から行う手順が説明されています。

消込の具体的な手順は次の通りです。

  1. 「自動で経理」画面で入金明細を選択します。
  2. 明細の右側に表示される「未決済取引」ボタンをクリックします。
  3. 対応する売掛取引(請求書)を選択して「登録」を押します。
  4. 請求書の入金ステータスが「決済済み」に変わります。

実務でよくつまずくのは「入金額と請求額が一致しないケース」です。値引き・振込手数料差引・一部入金などが発生した場合、差額の処理方法を事前に決めておくことをおすすめします。税理士と運用ルールを統一しておくと、後から修正する手間が省けます。

freee × 外部サービス連携で業務効率を最大化する

freeeはさまざまな外部サービスと連携することで、経理効率をさらに高められます。当事務所の顧問先でも活用例が多い2つのサービスを紹介します。

Amazon Businessとの連携では、Amazon Businessの購買データをfreee会計に自動取込できます。従来は領収書をPDFでダウンロードして手入力していた作業が、連携後は自動で仕訳候補として表示されます。購買量が多い法人ほど効果が大きい連携です。詳しい設定手順はfreee会計×Amazonビジネス連携の完全ガイドで解説しています。

bixidとの連携では、freee会計のデータを経営分析ツールbixidに取込み、月次決算・経営状況の見える化ができます。売上推移・費用構成・資金繰りをグラフで可視化し、経営判断に活用できます。詳しくは月次決算で経営が変わる|freee×bixidで経営を見える化をご覧ください。

freeeの導入・活用で迷ったら、まず税理士に相談することをおすすめします。初回30分無料のWeb面談でお気軽にご相談ください。freee認定5つ星アドバイザーの税理士が、御社の経理体制に合った活用方法をご提案します。

freee請求書・売掛金管理・固定資産|請求から固定資産まで自動化する

freee会計の請求書・売掛金・固定資産のポイントは、請求書発行から入金消込、減価償却計算までを一画面で自動処理できる点です。

請求書の発行から入金確認まで、従来は「請求書ソフトで発行 → 入金を通帳で確認 → 帳簿に手入力」という3ステップが必要でした。freeeを使うと「freeeで請求書発行 → 口座明細と照合 → 消込ボタンを押す」という流れに一本化できます。

freee請求書の自動作成と売掛金管理の全手順

freeeの請求書機能は、単なる請求書作成ツールではなく売掛金管理とセットで機能します。請求書を発行した時点で売掛金として帳簿に計上され、入金が確認されると自動で消込が可能な状態になります。

定期請求(毎月同額・同じ取引先)には「請求書テンプレート」機能を使うと、ワンクリックで前月と同じ請求書を発行できます。複数の取引先に同時に請求書を発行する「一括請求」機能も備えており、月末の請求業務にかかる時間を大幅に削減できます。

詳しい手順については、freee請求書の自動作成で売掛金を管理する方法をご覧ください。

freeeの電子帳簿保存法対応。インボイス・電子取引保存の実務手順

2024年1月から電子帳簿保存法の電子取引データ保存が完全義務化されました。メールやウェブサイトで受け取ったPDF請求書・領収書は、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存することが必要です。

freeeはこの要件に対応した電子書類の保存機能を備えています。スキャンした領収書や受信したPDF請求書をfreeeにアップロードすると、取引データと紐づけて保存できます。検索要件(日付・金額・取引先での検索)もfreeeの機能で満たせます。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応も、freeeでは請求書発行時に登録番号を自動印字する設定が可能です。受領した適格請求書の保存・管理もfreee上で一元管理できます。

対応手順の詳細は、freeeで電子帳簿保存法に対応する方法で解説しています。

freee固定資産登録と減価償却の自動計算

10万円以上の備品・設備・ソフトウェアを購入した場合は固定資産として登録し、毎期の減価償却を行う必要があります。freeeの固定資産台帳機能を使うと、購入時に固定資産として登録するだけで、以降の減価償却費が自動計算・自動仕訳されます。

国税庁の定める耐用年数表に基づいた計算式がfreeeに組み込まれているため、定額法・定率法の選択も含めて設定後は手計算が不要になります。決算時に減価償却の計上し忘れというミスも防ぎやすくなります。

固定資産の登録から減価償却・売却まで一連の手順は、freeeで固定資産を登録する方法|減価償却の自動計算から売却までをご覧ください。

freee人事労務の使い方。給与計算・年末調整・勤怠管理を一本化する

freee人事労務のポイントは、給与計算・社会保険・年末調整を1つのクラウドで完結できる点です。

中小企業の人事労務業務は、給与計算・社会保険の手続き・年末調整の3つが大きな負担になりがちです。freee会計と連携するfreee人事労務を使うと、給与支払いの仕訳が自動でfreee会計に反映されるため、二重入力が不要になります。

freee人事労務で法人の給与計算を自動化する手順

freee人事労務では、従業員の給与情報・控除設定・勤怠データを登録することで、毎月の給与計算を自動で処理できます。社会保険料・雇用保険料・所得税の計算も自動です。法改正による料率変更はfreeeが自動で反映するため、担当者が手動で計算式を更新する手間がかかりません。

当事務所が顧問先にfreee人事労務を導入する際に特に強調するのが「freee会計との連携設定」です。freee人事労務で給与を確定すると、給与支払いの仕訳がfreee会計に自動転記されます。この連携を設定しておくだけで、給与月の経理仕訳入力がほぼゼロになります。

詳しくはfreee人事労務で給与計算を自動化する方法|法人向け使い方、およびfreee人事労務×freee会計で法人の給与計算を自動化する方法をご覧ください。

freeeで年末調整を効率化する方法

freee人事労務の年末調整機能を使うと、従業員がスマートフォンから保険料控除等の申告ができます。紙の用紙を配布・回収・確認するという従来の作業が不要になります。

当事務所では、顧問先の年末調整を次の流れで運用しています。

  1. 従業員がスマホで申告する:freeeのマイページから保険料控除申告書・扶養控除等申告書をスマートフォンで入力・提出します。紙の書類は一切不要です。
  2. 税理士がWeb上で確認・修正する:提出されたデータを税理士がfreee上で確認します。不備があればチャット機能で従業員に差し戻せます。往復郵送のやりとりが不要です。
  3. e-Tax連携で申告する:確認済みの年末調整データをもとに、法定調書合計表・源泉徴収票のe-Tax提出が可能です。紙ゼロで年末調整業務を完結できます。

この「従業員スマホ申告 → 税理士確認 → e-Tax連携」という紙ゼロ運用は、従業員5名以上の法人で特に効果が大きいです。年末の繁忙期に紙書類の管理に追われる時間が大幅に削減されます。

freee給与明細の電子化でコスト削減する方法

freee人事労務では、給与明細を紙で印刷・封入・配布する代わりに、従業員のスマートフォンやPCにデジタル配信できます。従業員はマイページから給与明細を確認します。印刷コスト・封筒代・配布にかかる工数がすべてなくなります。

従業員数が多い法人ほど削減効果が大きく、毎月の印刷・配布作業が20〜30分かかっていたケースでは、電子化後はほぼゼロになったという報告を顧問先からいただいています。

詳しい手順と導入効果については、freee給与明細を電子化して法人コストを削減する完全ガイドをご覧ください。

freee申告の活用。法人税・消費税の申告書をfreeeで作成する

freee申告のポイントは、freee会計のデータがそのまま申告書に引き継がれる点です。

freee申告は、freee会計で記帳されたデータをもとに、法人税・消費税・地方税(都道府県民税・市区町村民税・事業税)の申告書を作成できるクラウド申告ソフトです。会計データを再入力する必要がなく、転記ミスのリスクも低減されます。

freee申告で法人税申告書を作成する手順(税理士が解説)

当事務所では、顧問先のfreee会計データを参照しながら申告書を作成しています。従来のインストール型会計ソフトでは、顧問先から会計データをエクスポートして受け取り、申告ソフトに再入力するという流れでした。freeeに移行してからは、顧問先の会計データを税理士側でリアルタイム確認しながら申告書を作成できるため、確認往復の手間が大幅に削減されています。

freee申告が対応している主な書類は次の通りです。

  • 法人税申告書(別表一〜別表十七)
  • 消費税申告書(原則課税・簡易課税両対応)
  • 地方税申告書(都道府県民税・市区町村民税・事業税)
  • 法定調書合計表・源泉徴収票
  • 勘定科目内訳書

申告書の作成は「freee申告 → 申告書一覧 → 新規作成」から開始し、freee会計の決算データを読み込む形で進みます。決算修正仕訳の入力もfreee申告から行えます。

freee申告を自分でやる場合と税理士に頼む場合の比較

法人税申告を自力で行うか、税理士に依頼するかは、経営者が悩む判断の一つです。両者の違いを整理します。

項目自力申告(freee申告を自分で操作)税理士に依頼
費用freee申告のソフト代のみ(月額数千円〜)年間20万〜(法人規模による)
難易度高い(税法の知識・freee申告の操作習得が必要)低い(税理士が担当する)
節税効果自分で気づいた範囲のみ税理士が能動的に提案する
向いている法人設立1期目・売上1,000万円以下・取引がシンプル売上1,000万円超
リスク申告誤りによる追徴税・延滞税のリスクあり税理士の専門知識でリスクを低減

売上が1,000万円を超えると消費税の納税義務が生じるケースも出てきます。消費税の申告誤りは追徴課税につながるため、このタイミングで税理士への依頼を検討することをおすすめします。

freeeを使っている税理士を選ぶ際の確認ポイント

freeeを導入している法人が税理士を選ぶ際は、「freee対応かどうか」を事前に確認することが大切です。インストール型ソフト専門の税理士に依頼すると、freeeのデータを活かせずに別ソフトへの再入力が発生するケースがあります。

税理士を選ぶ際の確認ポイントは次の3点です。

  • freee認定アドバイザーかどうか:freee認定アドバイザーはfreee社が実施する研修を修了した税理士です。特に「5つ星」は高度な活用実績が認定されていることを意味します。
  • freeeを使っている顧問先の実績があるかどうか:実際にfreee会計・freee人事労務・freee申告を使った申告実績があるかを確認します。
  • クラウドでのリアルタイム対応ができるかどうか:月1回の訪問対応ではなく、freeeのデータをリアルタイムで確認しながらチャット・メールで対応できる体制かを確認します。

税理士の変更を検討している方には税理士をクラウド会計(freee)対応に変えたい経営者へ、freee導入と税理士選びをあわせて検討している方にはfreee導入で経理が劇的に変わる|freee認定5つ星税理士が解説もご覧ください。

カテゴリ別freee記事インデックス。当事務所のfreee活用ガイド一覧

freee記事インデックスとは、移行・会計・人事労務・申告など、業務カテゴリ別に関連ガイドを束ねたハブセクションです。目的に応じた記事を直接参照できます。

freeeに関する疑問は、業務カテゴリ別に整理した記事で詳しく解説しています。目的別に該当のガイドをご参照ください。

移行・導入系ガイド

会計・経費・資産管理系ガイド

人事労務・給与系ガイド

まとめ:freeeで法人の経理・労務・申告を一本化する

  • freeeは銀行・カード明細の自動取得から帳簿・給与・申告まで一気通貫で処理できるクラウドERPです
  • 弥生会計からの移行は期首タイミングが最適。残高データ整備と口座連携設定が移行成功のカギです
  • 自動で経理の消込はWeb画面で行います。APIでの操作はサポートされていません
  • freee人事労務を使えば、給与計算・年末調整・給与明細配信をペーパーレスで完結できます
  • freee申告で会計データを申告書に引き継げますが、法人税申告は税理士への依頼も検討に値します
  • 当事務所はfreee認定5つ星アドバイザー。120社以上の導入支援実績をもとにサポートします

よくある質問(FAQ)

Q1. freeeは中小企業でも使いこなせますか?

はい、3〜50名規模の法人に特に適しています。経理専任者がいない法人でも、口座連携と自動登録ルールを設定すれば、毎月の記帳作業を大幅に削減できます。当事務所の実績では、移行後に月次経理の作業時間が平均40〜60%削減されています。

Q2. 弥生会計からfreeeに移行するとき、過去データはどうなりますか?

過去のデータは基本的に引き継ぎません。移行は期首からの切り替えが原則で、前期末のBS残高をfreeeに「期首残高」として入力します。過去の取引履歴を参照したい場合は、弥生会計のデータをPDF・CSV形式で保管しておくことをおすすめします。

Q3. freeeで年末調整はできますか?

freee人事労務を使えば年末調整ができます。従業員がスマートフォンから控除申告書を入力し、税理士が確認後にe-Tax連携で申告する「紙ゼロ運用」が可能です。freee会計のみの場合は年末調整機能はありません。freee人事労務との契約が別途必要です。

Q4. freee申告で法人税の申告書を自分で作成できますか?

技術的には可能ですが、税法の知識がないと誤申告のリスクがあります。売上が1,000万円超の法人や従業員がいる法人は、消費税・源泉徴収など申告書類が複数に及ぶため、税理士への依頼をおすすめします。設立1期目で取引がシンプルな場合は自力申告の選択肢もあります。

Q5. GMOあおぞらネット銀行のフリー支店とは何ですか?

2025年1月に開始したfreee会計との完全連携口座です。freeeの管理画面から口座開設の申請ができ、開設後は入出金明細がほぼリアルタイムでfreeeに反映されます。同行宛の振込手数料が無料になる点も特長です。

Q6. freeeを使っている場合、税理士は何をしてくれるのですか?

freeeのデータをリアルタイムで確認しながら、月次決算のチェック・節税提案・申告書作成・税務調査対応を担います。freee対応の税理士は、会計データを書き出して送付するやりとりが不要なため、コミュニケーションがスムーズになります。当事務所はfreee認定5つ星アドバイザーとして、freeeの活用支援も含めてサポートします。

Q7. freeeの月額費用はいくらですか?

法人向けfreee会計のスタンダードプランは月額3,278円(税込、2025年4月時点)からです。freee人事労務を追加する場合は別途費用がかかります。年払いにすると月換算で割安になります。プランの詳細はfreee公式サイトでご確認ください。

freeeの導入・活用は蟹山昇宏税理士事務所にご相談ください

蟹山昇宏税理士事務所(大阪市中央区安土町・本町駅徒歩3分)は、freee認定5つ星アドバイザーとして120社以上の導入支援実績があります。弥生会計からの移行・初期設定・自動登録ルールの構築・freee申告の作成まで、一貫してサポートします。

近畿税理士会所属(登録番号138494号)。bixider認定事務所、認定経営革新等支援機関。月次決算の徹底とfreee×bixidによる経営の見える化が当事務所の強みです。

初回30分のWeb面談は無料です。「まずどこから始めればよいか」というご相談から承ります。

著者:蟹山 昇宏(かにやま のりひろ)|税理士
近畿税理士会所属(登録番号138494号)。蟹山昇宏税理士事務所 代表。大阪市中央区安土町(本町駅徒歩3分)。freee認定5つ星アドバイザー、bixider認定事務所、認定経営革新等支援機関。中小企業の節税・freee導入・資金調達を一貫して支援。「わかりやすく、ていねいに」がモットー。