
みなさん、こんにちは!
「個人事業主として頑張ってきたけど、そろそろ法人化した方がいいのかな…?」
そう考えているあなたへ。
法人化って、「なんだか難しそう、手続きが大変そう…」って思いますよね?
でも、大丈夫!
この記事を読めば、法人化の手続きの「全体像」と、具体的に「何を」「いつ」「どうすればいいのか」というステップがまるっと分かります。
難しい専門用語はなるべく使わず、あなたが「よし、やってみようかな!」と思えるように、一つ一つ丁寧に解説していきますね。
さあ、あなたのビジネスを次のステージに進めるための第一歩、一緒に踏み出しましょう!
個人事業主のみなさん、法人化って考えたことありますか?
個人事業主として事業を続けていると、事業が拡大したり、社会的な信用を高めたい、税金をもっと最適化したい、といった様々な理由から「法人化」を検討するタイミングが訪れることがあります。
法人化、つまり「会社設立する」ということですね。
会社を作るなんて、なんだかすごく大きなことに感じますか?
でも、実は計画的に進めれば、ちゃんと個人でも手続きを進めることは可能ですし、専門家にお願いすることもできます。

この記事では、その「どうやるの?」という疑問に、初心者の方でも分かりやすいように、全体の流れから具体的なステップまでを解説していきます。
法人化の「全体像」をまずは掴もう!
手続きの具体的な話に入る前に、まずは法人化の全体像を掴んでおきましょう。
例えるなら、法人化は「新しい家を建てる」ようなもの。
- まず「どんな家を建てるか」を計画します。(会社の基本事項である、株式会社or合同会社、法人名、本店の住所、資本金、事業の内容などを決める)
- 次に、家の「設計図」を作ります。(定款作成)
- 家を建てるための「資金」を用意します。(出資金の払い込み)
- 役所に「建築申請」をして、許可をもらいます。(設立登記申請)
- 家が建ったら、電気や水道、電話などを手配します。(登記後の各種手続き)
どうでしょう?こう考えると、少しイメージが湧いてきませんか?
法人化の手続きも、この流れとよく似ています。
これから、この流れを一つずつ詳しく見ていきましょう。
これが具体的なステップ!手続きを徹底解説
では、いよいよ具体的な法人化のステップに入っていきます。
主に行うことは以下の5つの大きなステップです。
- 最初のステップ:「計画」をしっかり立てよう
- 会社の「ルールブック」を作る:定款作成
- 会社の「元手」を用意する:出資金の払い込み
- いよいよ会社誕生!:設立登記申請
- 登記が終わっても終わりじゃない!:登記後の各種手続き

一つずつ見ていきましょう!
ステップ1:「計画」をしっかり立てよう
さあ、まずはあなたの「どんな会社を作るか?」という計画を立てる段階です。
ここが一番、あなたの想いを形にする大切な部分ですよ。
ここで決める主な項目は以下の通りです。
- 会社の商号(名前)
- どんな名前にしますか?
すでに同じ住所に同じ名前の会社がないかなどを確認する必要があります。(同じ住所で同じ名前はダメなんです)
ネットで「商号調査」などと検索すると、法務局のサイトなどで調べられますよ。
- どんな名前にしますか?
- 本店の所在地
- 会社の住所です。
自宅を本店にすることも可能です。
- 会社の住所です。
- 事業目的
- 会社としてどんな事業を行うかを具体的に記載します。
将来的に行う可能性のある事業も、含めておくと後々変更の手間が省けます。
10個~15個ぐらい事業内容を盛り込んでおくケースが多いです。
ただし、あまりにも様々な事業を盛り込むと、なんの会社?ちょっと怪しい、、、と思われてしまうかも。
許認可に注意して、わかりやすい事業目的にしましょう。
専門家に相談するのも良いと思います。
- 会社としてどんな事業を行うかを具体的に記載します。
- 資本金の額
- 会社の設立に必要な資金です。
法律上は1円から設立可能ですが、事業内容や当面の運転資金を考慮して現実的な金額を設定しましょう。
取引先からの信用にも関わる場合があります。
金融機関の担当者からは資本金100万円はないと信用できないとよく聞きます。
会社設立は無事に終わったけど、銀行口座が作れない、、、というご相談が増えています。
注意です!
- 会社の設立に必要な資金です。
- 役員の構成
- 誰が会社の役員(代表取締役など)になるかを決めます。
一人で設立する場合は、あなたが代表取締役になりますね。
- 誰が会社の役員(代表取締役など)になるかを決めます。
- 株式の譲渡制限に関する規定
- 作った会社が勝手に知らない人に買われたりしないように、株式の譲渡を制限するかどうかを決めます。
多くの中小企業では制限を設けます。
- 作った会社が勝手に知らない人に買われたりしないように、株式の譲渡を制限するかどうかを決めます。
- 公告方法
- 会社が情報を公開する方法を決めます。
官報、日刊新聞、電子公告などがあります。
官報が一般的です。
- 会社が情報を公開する方法を決めます。
- 事業年度
- 会社の決算月を決めます。
設立日から1年以内の任意の日を設定できます。
決算日から2か月以内に法人税申告と納税を行います。
繁忙期を避けるなど、経理作業を考慮して決めるのがおすすめです。
ここは税理士さんと相談して、戦略的に決算月を決めるのがおすすめです。
- 会社の決算月を決めます。

これらの項目を具体的に決めていく作業が、最初の計画段階です。
ステップ2:会社の「ルールブック」を作る:定款作成
計画で決めた内容を元に、「定款(ていかん)」という会社のルールブックを作成します。
定款は、会社の組織や活動に関する最も基本的な規則を定めたものです。
株式会社を設立する場合、作成した定款は「公証役場」という場所で、公証人という人に「認証」してもらう必要があります。
これが、定款の有効性を公的に証明する手続きになります。
合同会社の場合は、定款の認証は不要です。(公証人の認証がないことのリスクも感じます、、、)
定款には、ステップ1で決めた会社の商号、所在地、事業目的、資本金の額などが必ず記載されます。
その他にも、役員に関することや株式に関することなど、会社の運営に関する様々なルールを細かく定めます。
定款の作成には、専門知識が必要になります。
記載内容に不備があると、登記ができなかったり、後々のトラブルの原因になったりすることもあります。
freee会社設立などのサービスを利用することも可能ですが、自信がない場合や複雑な定款にしたい場合は、司法書士や行政書士などの専門家に依頼することを検討しましょう。
定款の認証には、手数料がかかります。
株式会社の場合は、電子定款にするかどうかで費用が変わります。
電子定款にすると、収入印紙代4万円が不要になるメリットがあります。
ステップ3:会社の「元手」を用意する:出資金の払い込み
定款を作成し、定款認証(株式会社の場合)が終わったら、いよいよ資本金を用意するステップです。
定款で定めた資本金の額を、発起人(会社を作ろうとしている人)の銀行口座に払い込みます。
ここで注意点!
会社はまだ設立登記が完了していないので、会社の銀行口座はまだありません。
ですので、発起人個人の銀行口座を使います。
通常は、発起人の代表となる人の口座に全員分の出資金を集めます。
払い込みが完了したら、その銀行口座の通帳のコピー(表紙、裏表紙、払い込みが記載されたページ)や、ネットバンキングの場合は取引明細などを準備します。
これらが、出資金が確かに払い込まれたことを証明する書類になります。
これを「払込証明書(または払込を証する書面)」として作成します。
この払い込みの証拠書類は、次の設立登記申請の際に必要になりますので、忘れずに準備しましょう。

ステップ4:いよいよ会社誕生!:設立登記申請
さあ、ここまでの準備が整ったら、いよいよ会社の誕生です!
「設立登記申請」を、会社の所在地を管轄する法務局に行います。
法務局に設立書類一式を提出した日が、「会社設立日」となります。
設立登記申請には、多くの書類が必要になります。
主な書類は以下の通りです。
- 設立登記申請書
- 定款
- 払込証明書
- 発起人決定書(発起人が複数いる場合など)
- 取締役の就任承諾書
- 代表取締役の印鑑証明書
- 印鑑届出書(会社の代表印を登録するため)
- 資本金の額の計上に関する証明書
- 委任状(専門家に依頼する場合)
- その他、役員の選定に関する書面など
これらの書類を作成し、会社の代表印(会社の実印)を押印して、法務局に提出します。
書類に不備があると、補正といって修正が必要になったり、最悪の場合は申請が却下されたりすることもあります。
書類作成には専門知識が必要なものが多いため、司法書士の先生に依頼するのが一般的です。(当事務所から司法書士の先生をご紹介することも可能です!)
自分で挑戦することも不可能ではありませんが、時間と手間がかかることを覚悟しましょう。
申請から登記完了までは、法務局の混雑状況にもよりますが、通常1週間~2週間程度かかります。
登記が完了すると、会社の「登記事項証明書」(会社の履歴書のようなもの)を取得できるようになり、会社の設立が公的に証明されます。
また、会社の設立と同時に、税務署や都道府県、市区町村に会社設立届出を提出する必要があります。
これらは登記後の手続きになりますが、登記が完了したらすぐに動き始める必要があります。

ステップ5:登記が終わっても終わりじゃない!:登記後の各種手続き
設立登記が完了して、「会社ができたー!」とホッと一息つきたいところですが、実はここからが「会社としてスタートするための準備」の本格的な始まりです。
登記が完了したら、以下の様々な機関に会社の設立を届け出る必要があります。
- 税務署
- 法人設立届出書
- 青色申告の承認申請書(提出することで税制上のメリットが受けられます)
- 給与支払事務所等の開設届出書(役員報酬や従業員に給与を支払う場合)
- 源泉所得税の納期の特例に関する承認に関する申請書(給与を支払う場合に、源泉所得税の納付を年2回にできる制度の申請)
- その他、消費税インボイスの届出など
- 都道府県税事務所、市区町村役場
- 法人設立・設置届出書
- 年金事務所
- 健康保険・厚生年金保険新規適用届(会社と代表取締役は社会保険に加入する必要があります)
- 労働基準監督署、ハローワーク
- 労働者を雇用する場合に必要な手続きです。
- 銀行
- 会社の銀行口座を開設します。
個人事業主時代の口座とは別に、会社の口座を作る必要があります。
設立後の謄本が必要となりますので、設立登記が完了しないと法人口座は開設できません。
ホームページや取引先との契約書がないと銀行口座開設の審査に落ちることも、、、
- 会社の銀行口座を開設します。
- その他
- 許認可が必要な事業の場合は、許認可の申請も必要になります。
- 個人事業主として事業を廃止する場合は、税務署に個人事業の開業・廃業等届出書(廃業届)を提出します。
これらの手続きは、会社の事業内容や従業員の有無などによって必要なものが異なります。
提出期限があるものも多いので、忘れずに、そして漏れなく行うことが大切です。

これらの手続きも、税理士や社会保険労務士などの専門家に依頼することが可能です。
特に税務関係や社会保険関係の手続きは複雑な場合が多いので、プロに任せることで安心して事業をスタートできます。
法人化のメリット・デメリット(少しだけ触れておこう)
ここまで手続きの流れを見てきましたが、そもそも「なぜ法人化するの?」という疑問があるかもしれませんね。
手続きの全体像を掴んだところで、簡単に法人化のメリットとデメリットにも触れておきましょう。
【メリット】
- 税金面でのメリット: もしあなたの所得が高い場合、個人事業主よりも法人の方が税率が低くなる可能性があります。
また、経費にできる内容が広がったり、役員報酬として給与所得控除が使えたりするなど、税務上の選択肢が増えます。 - 社会的な信用の向上: 法人の方が、個人事業主よりも対外的な信用が高いとみなされることが一般的です。
これは、金融機関からの融資や、企業間取引において有利に働くことがあります。
「法人じゃないと取引できない」と言われるケースもよく聞きます。 - 責任の範囲: 原則として、会社が出した借金などの責任は、会社(法人)が負います。
個人事業主の場合、事業の借金は個人の借金となりますが、法人化することで、経営者個人の財産と会社の財産を分離し、経営者の有限責任となります(ただし、状況によります)。 - 資金調達の幅: 株式会社の場合、株式を発行して多くの人から資金を集める(増資)といったことも可能です。
- 退職金: 将来的に役員退職金を支給することも可能です。
【デメリット】
- 設立費用・ランニングコスト: 法人設立には、登記費用や専門家への報酬など、ある程度の初期費用がかかります。
また、設立後も法人住民税の均等割(赤字でもかかる税金)や、税務申告の複雑さから税理士費用など、個人事業主よりランニングコストがかかります。 - 事務手続きの増加: 税務申告や社会保険の手続きなど、個人事業主よりも事務作業が複雑になり、手間が増えます。
- 社会保険への加入義務: 会社と役員は原則として社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する必要があります。
これにより、社会保険料の負担が発生します。
これらのメリット・デメリットを、ご自身の事業規模や将来の展望と照らし合わせて検討することが大切です。
結局、期間と費用はどれくらい?
法人化にかかる期間と費用についても気になりますよね。
【期間】
計画から設立登記完了まで、スムーズに進めば約2週間~1ヶ月程度を見込んでおくと良いでしょう。
【費用】
株式会社を設立する場合、最低でも約20万円~25万円程度の登録免許税や公証人手数料がかかります。
これに加えて、専門家に依頼する場合は、司法書士さんへの報酬が10万円~15万円程度(内容によって異なります)、電子定款にしない場合は収入印紙代4万円などが別途かかります。
合同会社の場合は、公証人手数料がかからないため、費用は株式会社より抑えられ、登録免許税6万円~に専門家報酬などを加えて10万円~15万円程度から設立可能です。
これらの費用はあくまで目安です。
資本金の額や依頼する専門家によって変動しますので、事前に見積もりを取ることをおすすめします。

一人で抱え込まず、プロの力も借りよう
ここまで法人化の手続きの全体像とステップを解説してきましたが、いかがでしたか?
やることがたくさんあるように見えるかもしれませんが、一つ一つのステップを理解していれば、決して乗り越えられない壁ではありません。
そして、もし「やっぱり自分で全部やるのは不安だな…」と感じたら、迷わず専門家の力を借りましょう。
- 司法書士: 設立登記申請に関する書類作成や申請代行を専門としています。定款作成も依頼できる場合があります。
- 税理士: 法人設立後の税務署への届出や、設立後の経理・税務のサポートを専門としています。設立前の相談に乗ってくれる税理士さんも多いです。
- 行政書士: 定款作成や許認可申請などを専門としています。
これらの専門家は、あなたの状況に合わせて適切なアドバイスやサポートをしてくれます。
費用はかかりますが、手続きをスムーズに進められたり、将来的なトラブルを防げたりすることを考えると、大きなメリットがあります。
まずは無料相談などを利用して、色々な専門家の話を聞いてみるのも良いかもしれませんね。
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まとめ
今回は、個人事業主が法人化する際の手続きの「全体像」と具体的な「ステップ」について徹底解説しました。
もう一度、全体の流れを振り返ってみましょう。
- 計画: 会社の名前、所在地、事業目的などを具体的に決める。
- 定款作成・認証: 会社のルールブックを作成し、公証役場で認証を受ける(株式会社の場合)。
- 出資金払い込み: 定めた資本金を銀行口座に払い込む。
- 設立登記申請: 法務局に必要書類を提出し、会社の設立を登記する。
- 登記後諸手続き: 税務署や年金事務所など、関係各所に届け出を行う。
法人化は、あなたのビジネスにとって大きな転換点になる可能性があります。
手続き自体は複雑に感じるかもしれませんが、事前にしっかり計画を立て、必要に応じて専門家のサポートを得ながら進めれば、必ず乗り越えられます。
この記事を読んで、「よし、法人化に向けて一歩踏み出してみようかな!」と思っていただけたら嬉しいです。
もし、具体的な一歩として何から始めれば良いか迷ったら、まずは税理士さんや司法書士さんに相談してみることをおすすめします。
当事務所にも、法人設立のご相談が可能です。
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あなたのビジネスのさらなる発展を心から応援しています!