
経営者のみなさん、こんにちは!税理士の蟹山です。
「そろそろ税理士さんに相談したいんだけど、初回相談料って結局いくらなの?」
「なんか高そうだし、相談するだけでお金取られるのもなぁ…」
そう思って、なかなか税理士さんとの面談へ一歩が踏み出せない経営者の方、いらっしゃいませんか?
実はこれ、多くの経営者の方が抱える共通の悩みだと感じています。
でも、安心してください!
税理士の初回相談料は、実は様々なパターンが存在します。
そして、賢く相談すれば、費用を効果的に抑えることも可能なんです。
今回は、初回相談を年間50件ほど受けている税理士である私が、初回相談料のリアルな相場から、費用を抑えて賢く相談するための具体的な秘訣まで、みなさんが安心して税理士に相談できるよう、徹底的に解説していきます。
この記事を読めば、もう税理士さんへの相談を躊躇することはありません!
ぜひ最後まで読んで、あなたの経営に役立ててくださいね。

ぶっちゃけ、税理士の初回相談料の「相場」とは?
まず、みなさんが一番気になる初回相談料について、実際の相場と内訳からお話ししましょう。
税理士さんの初回相談料は、大きく分けて以下の3つのパターンがあります。
- 無料相談:
- 目的: 新規顧問契約の獲得に向けた「お試し」や「相性確認」が主な目的です。
- 内容: ざっくりとした現状のヒアリング、その税理士事務所のサービス内容や料金体系の説明、簡単な税務相談など。
- 時間: 30分~1時間程度が一般的です。
- 特徴: その場で具体的な解決策まで踏み込むことはまれで、主に「この税理士さんと今後付き合っていけるか?」という相性や信頼性を見極める場となります。
- 有料相談(時間制):
- 目的: 特定の税務課題や込み入った内容へのアドバイス提供が主な目的です。
- 内容: 「具体的な節税策の相談や注意点」「法人化に伴う数字のシミュレーション」「具体的な会計処理の相談や会計ソフトの操作方法」「相続税の試算」など、具体的な課題に対する専門的なアドバイス。
- 料金相場: 30分あたり5,000円~1万円、1時間あたり1万円~2万円が一般的です。
- 特徴: より具体的な解決策や詳細なシミュレーションを求める場合に適しています。
- 顧問契約を前提とした無料相談:
- 上記1の無料相談と似ていますが、「将来的に顧問契約を検討している場合」に限り、無料相談を受け付けるというパターンです。
- 相談後に顧問契約に至れば、顧問報酬から相談料をお値引きします。
このように、税理士事務所によって初回相談の目的や料金設定は大きく異なります。
相談を検討する際は、事前に料金体系や相談範囲をしっかり確認することが極めて重要です。

「無料相談」には注意点も!賢く活用するためのポイント
「無料なら、とりあえず無料相談を使えばいいのでは?」と思われるかもしれませんが、無料相談にはいくつか注意すべき点があります。
もちろん、全ての無料相談がそうだというわけではありませんが、以下のポイントを理解しておくことで、より有益な相談に繋げることができます。
- 具体的なアドバイスには限界があることも: 無料相談の主な目的は、あくまで「入り口」です。
あなたの会社や事業の具体的な状況を深く掘り下げて、オーダーメイドの解決策まで提供することは難しい場合があります。
実際の数字を税理士が把握できない場合、「具体的なアドバイスは顧問契約後に」「まずは経理をして売上や利益を把握しましょう」と言われることもあり得ます。 - 営業色が強くなる可能性: 無料相談は、税理士事務所が新規顧客を獲得するための機会でもあります。
そのため、自社のサービス内容や顧問契約のメリットを強調する営業トークが多くなるケースもあります。 - 相談時間が限られている: 無料相談は30分から1時間と時間が限られていることがほとんどです。
この短い時間で、あなたの事業の全体像を説明し、悩みを伝え、解決策を探すのは簡単なことではありません。
これらの注意点を踏まえた上で、無料相談は「税理士との相性確認」や「事務所の雰囲気確認」の場として捉え、賢く活用することが大切です。
費用を抑えて「質の高い」相談をするための秘訣5選
では、どうすれば費用を抑えつつ、本当にあなたの経営課題の解決に繋がる「質の高い」税理士相談ができるのでしょうか?
その具体的な秘訣を5つご紹介します!
秘訣1:相談内容を「これでもか!」ってくらい明確にする
これが、費用を抑える上で、そして実りのある相談にする上で、最も重要なポイントです。
漠然と「税金が高くて困ってます」といった相談では、税理士さんもどこから手をつけていいか分かりません。
相談時間だけが過ぎ、結局何も解決しないまま終わってしまう可能性が高まります。
- 具体例で考える:
- 「今期、売上が約5,000万円で、経費が約2,000万円の見込みです。利益は3,000万円ほどで着地予定です。節税のために、3か月後の決算日までに、今からできる具体的な対策はありますか?特に、設備投資や従業員採用を検討している場合の節税策を知りたいです。」
- 「現在、個人事業主ですが、売上が年間1,500万円を超えそうなので、法人化を検討しています。法人化のメリット・デメリット、社会的な信用確保、決算月のおすすめなど法人化で多いお悩みを教えてください」
- 「〇年後に事業承継を考えており、特に相続税や贈与税が心配です。現時点でできる対策として、どのようなものがありますか?役員就任をするべきと聞いたことがあります」
このように、具体的な数字(売上、利益、従業員数など)を交え、あなたの会社の現状と、あなたが知りたいこと(質問のゴール)を明確にしましょう。
事前に箇条書きにするなどして準備しておくと、スムーズな相談に繋がります。
秘訣2:必要な資料は「事前に」準備・共有しておく
相談内容を明確にするのとセットで、関連する資料を事前に準備しておくことが、相談の質を格段に高めます。
事前に資料が揃っていれば、税理士さんはあなたの会社の状況を素早く理解し、より的確で具体的なアドバイスを提供できます。
- 準備すべき資料の例:
- 直近の決算書(過去3期分あると良い)
- 確定申告書(過去3期分あると良い)
- 最新の試算表
- 事業計画書(もしあれば)
- 相談内容に関わる契約書や資料(例:新規事業の計画書、不動産関連の書類など)
これらの資料は、事前にメールやチャットで送っておくか、当日持参して、税理士さんがすぐに確認できるように準備しましょう。
秘訣3:2~3人の税理士に「無料相談」を活用してお互いの相性を確認する
無料相談には注意点があるとお伝えしましたが、それを踏まえた上で、賢く活用することでみなさんに最適な税理士さんを見つけるきっかけとなります。
「相談内容の明確化」と「必要資料の準備」をしっかり行った上で、2~3人の税理士に無料相談を試してみてください。
その際に、以下の3つのポイントを意識してみなさんと税理士さんのお互いの相性を確認しましょう。
- 質問に対する回答の的確さ・分かりやすさ:
- あなたの質問に対して、あなたにとって的確に回答してくれるか?
- 専門用語ばかり使わず、経営者であるあなたに理解できる言葉で説明してくれるか?
- 税理士の人柄と信頼性:
- 話しやすい雰囲気か?こちらの話をしっかり聞いてくれるか?
- あなたの会社の課題に対して、親身になって考えてくれる姿勢があるか?
- 信頼できる「経営のパートナー」として長く付き合っていけそうか?
- あなたが希望する会計ソフトに対応しているか?
- 誠実かどうか
- 顧問契約した場合の料金体系の明瞭さ:
- 顧問契約した場合の料金体系について質問してみましょう。
- 明確な料金表やサービス内容の具体例を提示してくれるか?あなたの予算と大幅な乖離はないか?後から追加費用が発生しないかなど、透明性があるか?
これらのポイントを複数比較することで、あなたの会社に最適な税理士さんを見つける確率が高まります。
しかし、面談した税理士があなたの顧問をしてくれるとは限りません。
面談した税理士の対応が好印象だったとしても、実際に担当するのは別のスタッフというケースは多々あります。
誰が対応してくれるのか?スタッフがコロコロ変わらないか?という視点があってもいいかもしれません。
秘訣4:「スポット相談」という選択肢も視野に入れる
「顧問契約はまだ考えていないけど、ピンポイントでこの件だけ専門家に相談したい!」
そんな場合は、「スポット相談(単発相談)」という選択肢も有効です。
顧問契約とは別に、時間制や案件ごとのスポット相談を受け付けている税理士事務所があります。
スポット相談対応している税理士事務所を探してみてもいいかもしれません。
- スポット相談の活用例:
- 創業融資の申請サポートだけお願いしたい
- インボイス制度導入に関して、自社への影響と対応策だけ詳しく知りたい
- 過去の申告内容に不安があるので、一度だけ見直しを依頼したい
- 普段とは異なる取引が発生して、経理方法を教えてほしい
- クラウド会計の導入初期設定だけしてほしい
顧問契約を結ぶよりも費用は割高になるかもしれませんが、必要な時に必要な分だけプロの知識を借りられるという大きなメリットがあります。
まずはスポットで利用してみて、その税理士さんの実力や相性を確認するのも賢い選択です。
秘訣5:年齢が近い税理士を探してみる
最近では、税理士事務所のホームページがあることが一般的になっています。
プロフィールを確認し、税理士さんの生年月日の記載があれば、年齢がわかります。
経歴をもとに、おおまかな年齢がわかることもあります。
自分の年齢プラスマイナス15歳の税理士さんを探すとはずれが少ないです。
- 税理士の平均年齢:
- 実は、税理士の平均年齢は60歳を超えているという統計データがあります。
所長先生は高齢で実務をしていない(ゴルフや飲みに行っている=営業)ので、実際のお客様対応は若手が行う事務所もあります。
20代~40代の若手税理士は希少な存在といえます。
データで見る税理士のリアルhttps://www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/doc/prospects/whats_zeirishi/book02/origin/page-0017.pdf
- 実は、税理士の平均年齢は60歳を超えているという統計データがあります。
年齢を参考に税理士さんを探してみるのも良いでしょう。
女性の経営者は女性の税理士さんを希望されることが多いです。
悩みを共有しやすい=相談しやすいからだと考えられます。

結局、「賢い税理士相談」とは何か?
ここまで様々な秘訣をお伝えしてきましたが、結局のところ、「賢い税理士相談」とはどういうことなのでしょうか?
それは、「あなたの経営課題を解決するために、必要な情報を効率的に引き出してくれる、最適なパートナーを見つけるアクション」です。
費用を抑えることだけが目的ではありません。
安価なだけで質の低いアドバイスでは、かえって会社の損失に繋がりかねません。
逆に、費用がかかっても、あなたの会社にとって本当に価値のあるアドバイスを提供し、長期的な成長に貢献してくれる税理士さんなら、それは決して高い投資ではないはずです。
大切なのは、以下の3つのステップを常に意識することです。
- 「何のために相談するのか?」「何を解決したいのか?」を徹底的に整理する。
- 複数の税理士さんと積極的にコミュニケーションを取り、相性や専門性、信頼性を見極める。
- 提示された費用と、税理士さんをパートナーにした後の成果を冷静に判断する。
税理士さんは、あなたの会社の「お金」と「税務」に関するプロフェッショナルであり、時には「経営の羅針盤」となる重要なパートナーです。
上手に活用することで、単なる税金計算だけでなく、経営全般の不安を解消し、事業をさらに成長させていく大きな力となってくれるでしょう。
まとめ:税理士相談は「準備」と「相性」が成功の鍵!
いかがでしたでしょうか?
初回相談料のリアルな相場から、費用を抑えて賢く相談するための具体的な秘訣まで、みなさんが自信を持って税理士さんに相談できるよう、徹底的に解説してきました。
もう一度、重要なポイントをまとめますね。
- 初回相談料は無料~数万円まで様々。無料だからといって安易に飛びつくのは避け、目的と注意点を理解する。
- 相談内容と必要な資料は「これでもか!」というくらい具体的に事前に準備する。
- 複数の税理士に無料相談を活用して、相性・専門性・料金体系をしっかり比較検討する。
- ピンポイントの相談なら「スポット相談」も有効な選択肢。
- 税理士事務所のホームページなどを参考に年齢の近い税理士さんを探す。
税理士さんへの相談は、あなたの会社の未来を左右する、重要な経営判断の一つです。
この記事が、皆さんの税理士さんへの一歩を踏み出すきっかけとなり、安心して頼れるパートナーを見つける一助となれば幸いです。
さあ、あなたも今日から「賢い税理士相談」を実践して、会社の成長を加速させていきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【今日の学び】
- 税理士の初回相談料は目的によって無料~有料まで幅広い。
- 無料相談は「お互いの相性確認」の場として、賢く活用することが重要。
- 相談内容の明確化と資料準備が、質の高い相談と費用抑制の鍵。
- 複数の税理士を比較検討し、あなたに最適なパートナーを見極める。